◎第11部(2022年) 茶の諸々話



目         次


下の番号ををクリックすればその項目になります
  

 1. 盆の持ち方 2022/6/1・6/10・6/11    

 2. 瀧 直下三千丈の真意 2022/7/2   

 3. 炭手前の茶事とお稽古の違い 2022/7/14・7/21  

 4. 亀蔵棗の正面 2022/7/31・8/2  

 5. 茶室、本仕舞、中仕舞の関連話 2022/8/31・9/8・9/24   

  6. 炭手前で香合の置く位置と棚との関係 2022/10/18・10/30    

  7. ノート見ないで、点前を覚える方法 2022/11/2・11/18     

  8. 拝見道具を出す時、返す時の道具の位置の意味と床位置の関係 11/29〜12/16      



7. 茶の諸々話 「 4,亀蔵棗の正面」   

 1,  盆の持ち方 2022/6/1・6/10・6/11    


  点前で盆を持ち運ぶ場合は、盆略点前に始まり、奧秘台子12段でもいろいろある。盆を持つ手が、正しく盆を持つ姿勢と持ち方について述べることにする。

香盆のような長盆、山路盆、花形盆、大円盆のような丸形盆、四方盆などの持つ手を写真で示してみよう。

 

 写真1
 長盆・・・・strong>で、写真のようにして持つ。  

 写真2
 盆の裏側で盆・・・・持つ
 姿勢は、赤の楕円のような形で、写真のようにして持つ。

 写真3
 盆略点前の盆 ・・・    ・・・盆を持つ腕、盆、体とのシルエットは写真のよ
 うにして持つ。
 盆の裏側を支える四本の指も長盆と同じのようにして持つ。  

 写真4
 四方盆の場合・・・・揃えて持つ。
 姿勢は、赤の楕円のような形で、盆を持つ腕、盆、体とのシ
 ルエットは写真のようにして持つ。  


盆を持った時の姿は、盆の持ち方で決まる。・・・・型になると美しくなる。  

盆の持ち方で、特に注意したいのは、「行之行」と「行之草」との違いである。

「行之行」で天板から盆を引く場合

 写真5
 「行之行」は 盆は最初・・・
 写真は、・・・く時である。  

 写真6
 「行之行」は ・・・せる。

 写真7
 
 天板すれすれ・・・  

 写真8
 持ち上げ・・・
 その後八卦盆を天板から下ろし、膝退し、足退で水屋へ帰る。  




「行之草」で天板から盆を引く場合

 写真5
 「行之草」は・・・・  

 写真6
 「行之草・・・
 その後、天板から天板外まで引く。

 写真7
 八卦盆の向・・・軽く添えて持つ。
 その後、膝退する。  

 写真8
 両手で八卦盆を 


「行之行」と「行の草」と八卦盆を引く時は、持ち方、引き方に違いがあることを認識していただきたい。


 

 

 2, 「瀧 直下三千丈」の真意 2022/7/2   


屈指の観光地の廬山の滝を歌った連作の中の一篇「廬山の瀑布を望む」という漢詩の中にその原点は詠まれている。 一般の方々は、「瀧直下三千丈」の掛物を見ると、華厳の滝のような壮大な景色・・・   清涼感を感じる。それはそれでよいとしても、李白の原点で詠まれた壮大な宇宙観を意識している人は多くない。

李白の「廬山の瀑布を・・・   ・・・立ちのぼる、遥か彼方に 大きな瀑布が真下の川になだれ落ちるのが見える。飛ぶが如く流れはまっすぐ落下すること三千尺(900m)、もしや天の彼方から天の川が落ちてきたのではと驚かされるほど」となる。   


 

 

 3. 炭手前の茶事とお稽古の違い 2022/7/14〜   


 炭手前は、近年、炭焼きの方々が減り、加えて福島原発事故により盛岡などの産地の炭の生産が停滞し、入手がしにくくなった。又ビルでのお稽古では、スプリンクラーが感知することから、炭は火をつけてお稽古することはできなくなった。これが炭手前の原因としての機械が減った原因である。

炭手前の中で、以外に何となく気にしないで、炭手前を・・・   ・・・がある。「ア」の字に掃くのは、炭手前で、灰などが周りに飛散して、釜蓋の上を清める意味があるためである。
釜の蓋を切る場合は、お稽古の場合、又は、広間での茶で、「座掃き」をしない場合の時である。
釜の蓋を切る際は、釜の蓋・・・   用いて釜の蓋を切る。但し、盆香合、仙遊などのように、水次をして釜蓋と濡れ茶巾で清めた後などは、釜の蓋を切る場合は、素手で釜の蓋を切る。 



 

 4. 亀蔵棗の正面 2022/7/31・8/2   


 亀蔵棗は、円能斎が九星を意匠化して、棗に九星を表示したことに始まる。しかしながら、巷では、「星」ということから、単純に、その根拠も探求することなく、七夕のある7月に用いる棗と短絡的に理解し、用いているのが現状である。
又、7月に用いなければならない根拠を示した合理的、科学的な文献もない。

円能斎が、なぜ亀蔵棗を九星の意匠化で作ったかを考えてみると、円能斎の深い思惑があったと思われる。
中国の「夏」の王、帝堯の時代に、禹は治水事業に失敗した父の後を継ぎ、舜に推挙される形で、黄河の治水に貢献した。当時、占いは亀の甲羅の割れ方から占ったり、甲羅の柄から九星学も始まっていた。
円能斎の父は、江戸時代に、鴨川に平行にになる物資の流通の運河(高瀬川)を開削工事して豪商となった角倉了以の家系で、父の家系が治水に関係したことから、治水工事という同じようなことから、禹王に思いを寄せ、九星学の九星に興味をいだいたとも考えられる。円能斎が、占いの九星に興味をもち、研究した結果、「亀蔵棗」が生まれたともいえる。

ここで、亀蔵棗の意匠的表示が、九星の表現位置を形成することになった八卦、魔法陣の組み合わせで構成されていることを開示し、亀蔵棗の正面が、季節によって変わるその根拠となる八卦、五行、九星、魔法陣などを分析して、「亀蔵棗」のなるべき正面を開示してみよう。 ・・・・

〇 八卦

八卦は伏羲が天地自然に象って作ったという伝説があり
八卦の順序には、「伏羲八卦次序(先天八卦)」という「乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤」と「文王八卦次序(後天八卦)」という「乾・坤・震・巽・坎・離・艮・兌」の二種類がある。

〇 九星の種類
九星の起源は、三千数百年以上前の「夏王朝」神話(河図・洛書)に始まるといわれ・・・  ・・・
〇 九星と魔法陣
>一白水星(いっぱくすいせい)、ニ黒土星(にこくどせい)、三碧木星(さんぺきもくせい)、・・・  ・・

〇 九星の後天定位盤(こうてんじょういばん)・・・   ・・・

九星の後天定位盤と九星魔法陣

 図1
 十二支、十干、五行、七色の九星を組み合わせた図  

 図2
 魔法陣3×3の9マスの中に九星を配置


九星、八卦、魔法陣の組み合わせ図

 図3
 八卦に九星魔法陣、五行を組み合わせた図から、九星を意匠化した「亀蔵棗」の正面とすべき姿が現出する。  


 九星、八卦、五行、魔法陣などの約束を組み合わせた図から、「亀蔵棗」の正面を結論的に開示しよう。、


春夏秋冬の月を答えるのに、意外と正しく答える人が少ない。正面を決める前に、春夏秋冬とは、12ヶ月の何月を指すかを意識しなければならない。
春夏秋冬の月は、明確な季節感のある日本、季節感が見られる国では分類でき、4つに分類される。季節感のない国では分類できない。


分け方
季節分類要因
春の月
夏の月
秋の月
冬の月
1
気象庁の現実の季節月
3月〜5月
6月〜8月 
9月〜11月 
12月〜2月 
2
旧暦月(暦の上)
1月〜3月
4月〜6月 
7月〜9月 
10月〜12月 
3
年度(公的役所区分)
4月〜6月
7月〜9月 
10月〜12月 
1月〜3月 
4
北米の暦上区分例
春分3/21〜夏至6/21
夏至〜秋分 
秋分〜冬至 
冬至〜春分 

季節感の分類は、「1」のの分類によって決めれば問題ないが、茶道の世界では時により、「2」の「旧暦」による季節感で、春夏秋冬を決めることも、問題ではない。亭主の感性による世界でもある。
「亀蔵棗」を用いる時も、亭主の感性の中で、季節感を決めればよい。

〇 「亀蔵棗」の正面にする季節表


季節
棗蓋手前側の星数
棗本体手前側の星数
星数」
星数は「九・・・」
晩冬から初春
星数は「二・・・」
星数は「八・・・」
星数は「三・・・」
星数
晩春から初夏
星数は「六・・・」
星数は「一・・・」
星数・・・
晩夏から初秋
星数は「・・・」
星数は「八・・・」
星数は「三・・・」
晩秋から初冬
星数・・・
星数は「六・・・」




「亀蔵棗」の季節による正面図

 図4
 冬・夏は、九星の「・・・五」の組み合わせになる。  

 図5
 晩冬〜初春・晩夏〜初秋は、九星の「・・・・五」の組み合
 わせになる

 図6
 春・秋は、九星の「・・・・・五」の組み合わせになる。  

 図7
 晩春〜初夏・晩秋〜初冬は、九星の「・・・・五」の組み合
 わせになる。の正面は


「亀蔵棗」の正面は、中国の古代から蓄積されてきた占い、九星気学、五行、八卦、魔法陣などの総合的構成によって、形成されているもので、円能斎による九星の研究の下に、九星を意匠化して、作られた珍しい「亀蔵棗」である。その成果を正しく理解して、「亀蔵棗」を季節ごとに利用し、その正面を正しく扱っていただきたいものである。



 

 5. 茶室、本仕舞、中仕舞の関連話 2022/8/31・9/8・9/248.  


 

茶歴の長い方でも、伝承の世界で、教えを受け継いできた方々に、「中仕舞」は、「何故するのか?」と聞けば、「即答」する方はなかなかいない。又それを記述したものは、私の見る限りでは見つからない。大部分の茶人と称する人は、「中仕舞」をするものは何々、炉では「それは内隅ねらい」という人は巷に多くいる。流派によって、風炉の「中仕舞」をしない流派も多い。

それについてひも解いてみることにしよう。

何故「中仕舞」をするかについて分析すれば、二つの視点から、「中仕舞」の所作が生まれてくることがいえる。

その前に、茶室の部屋について述べると、茶室は、大きさから分類すると三分類と特殊一種類に分けることができ、茶室の大きさとその特徴、「中仕舞」、「本仕舞」の結論的なことを以下の表にまとめたみたので、認識してしていただきたい。


茶室の( ^ω^)・・・・・・中仕舞の表
   
広さ・・・種類別
畳   数
特   徴
本仕舞、中仕舞
@   小       間
四畳半より小さい
膝行、運び点前、棚使用不可
・・仕舞
A   四   畳   半
四  畳  半
小間の膝行、運び点前、又は棚の使用
・・仕舞
B   広       間
四畳半より大きい
運び点前、又は棚の使用
・・舞
C 台目席自体は小間の点前
台目畳+丸畳数
運び点前、棚使用不可
・・仕舞


・・・見た・・・特徴、本仕舞、中仕舞の表
           
棚の種類別
畳   数
特   徴
本仕舞、中仕舞
@ 棚   無   し
¥・・・点前、棚使用不可
・・仕舞
A  ・・・
・・・
・・・行、   棚の使用
・・仕舞
 B A以外の小卓、棚使用
・・・  半
・・・、   棚の使用
・・仕舞
C  台子、長板、大棚
広     間
・・  の  使  用
・・仕舞
 D ・・・、棚使用
広     間
・・・ の  使  用
・・仕舞


結論的に言えば、上記のまとめた表は、小間では棚は使用しない。本仕舞である。・・・・、広間で使用し、本仕舞である。
四畳半、広間では、台子、長板、大棚以外の棚を使用した場合、運び点前の場合でも、中仕舞である。

何故、中仕舞をするかを考察してみると、教本、古書にも記述されたものは見当たらない。殆どの茶人、指導者は、中仕舞をする点前は、「平点前、続き薄茶、長緒茶入、包み帛紗などである」と述べ、その理由を述べる人は皆無に近い。

中仕舞の原理を理解する上に、茶の哲理をまず理解していただきたい。

その哲理とは、・・・の規矩を履行することができない時は、・・・所作を完結することが茶の哲理にある。
その哲理が理屈っぽく思える方がおられると思うので、具体例として挙げてみよう。
茶入は、「陽」であり、・・・・・・、左手で茶入を持たざるを得ない。これが、規矩を外して、所作を完結することが茶の哲理にある。
この茶の哲理を理解した上で、中仕舞の解説を読んでいただきたい。

又、中仕舞をしなければならない理由を分析すると、・・・見れば、その結果を理解することができる。二つの視点とは、一・・・、二つ目は、水がかからないようにするための所作であることに原因があるといえる。 いつも気が付かずに、・・・ら汲んで・・・が、その所作に意味があることに気が付かなければならない。濃茶では・・・、薄茶では2度水を水指から汲む。その際、・・・避けるようにして、柄杓を運ぶ。

中仕舞の必要がない点前から、何故、中仕舞の必要がないかを見てみよう。
「・・・半、広間での・・・大棚では、本仕舞」である。
この・・仕舞の点前では、濃茶点前も薄茶点前も、・・・は、道具の上を通ることなく、何ら道具に対して心配はない。茶の原点である台子点前は、水を汲んだ柄杓の経路は、道具の上を・・・論理を物語っている。
つまり、この場合は、「中仕舞」の必要がないからである。


本仕舞の場合、柄杓で水を汲んだ後の柄杓のコース

 図1 台子の場合は本仕舞
 台子は四畳半、広間で用いられ、本仕舞となる。この場合に
 柄杓で・・・   ・・・の上を水を汲んだ柄杓が通らない
 という理、火のそばに大切な道具を置かないという理にかな
 っている。

 図2 小間での本仕舞
 小間・・・    汲んで、釜に水
 を入れる場合も、茶碗に水を入れる場合でも、茶入の上 (A
 ・・・ことなく、道具の上を・・・柄杓
 が通らないという理、・・・に大切な道具を置かないとい
 う理にかなっている。


次に棚・・・、先述のように「本仕舞」をする点前は、水を汲んだ柄杓が茶入の上を通ることがないので、中仕舞の必要がない。又、何故、これらの点前は、「・・仕舞」をしなければならないかと言えば、その理由は、


又、中仕舞をしなければならない理由を分析すると、二つの視点から見れば、その結果を理解することができる。二つの視点とは、一つは大切な道具は遠ざけること、二つ目はようにするための所作であることに原因があるといえる。 いつも気が付かずに、「水」を水指から汲んで、釜、茶碗に入れているが、その所作に意味があることに気が付かなければならない。濃茶では、四度水を汲み、薄茶では2度水を水指から汲む。その際、茶入、棗などの上は避けるようにして、柄杓を運ぶ。 ( )・・・・・・

四畳半、広間で「本仕舞」をする点前は、貴人台、貴人清次、包み帛紗、長緒茶入、続き薄茶であるが、先述のように「本仕舞」をする点前は、水を汲んだ柄杓が茶入の上を通ることがないので、中仕舞の必要がない。又、何故、これらの点前は、「本仕舞」をしなければならないかと言えば、その理由は、四畳半、広間で棚を用いた場合に「中仕舞」を ・・・   



 

 6. 炭手前で香合の置く位置と棚との関係 2022/10/18・10/30   


  炭手前で、香合を棚地板上、畳上か迷う人が多々あり、ご質問を受けたので開示してみよう。

炭手前を畳上に置くか、置かないかを分類してみると、

〇台子、長板、・・・場合
  真之炭、中置・・・・  、中置大板、茶箱月点前である。

 ・真之炭:真之炭は、台子前の風炉・・・に入れ、香合を右手で取って左手を据え、天
      板から地板に置いた羽の羽先に、・・・  置く。

 ・中置台子:・・・風炉前に・・・  で、羽先に置く。

 ・長板二つ置:長板二つ置は、奧…称では、「草之行」は別名「真の
        一つ置」と言われ風炉の数は要れていないが、後に、長板の上に風炉と水指をのせた道具荘を「二つ置」
        と称し、現在に至っている。「・・・    つ置き」も
        「竹蓋置」となっている。こ・・・  く約束であるため、「二つ置」も長
        板地板上に置くことを・・・  に置く約束となる。
        香合の正面も・・・   ととなる。羽は、中置とは異な
        り、炭斗の前に斜めに置くこととなる。

 ・中置長板:中・・・   置いて、香合の正面は、長
       板であるた・・・ 向に置く。

 ・五行棚:五行棚は、中置の棚として、土風炉、・・・  である。羽を風炉前地板
      上に置き、竹蓋置が・・・  り手なりに
      置き、点前・・・になる。

 ・中置大板:中置であるので、・・・   も大板上の羽先に
       置いて、・・・異なり手なりに置き、点前する人の方へ正面を向けることになる。
  ※ ・・・合も地板上となる。
  ※ 中置の台子は、「草の草」の茶事で、初座の炭手前では、・・・前で、「草之草」の
    点前の場合も、・・・約束なので、中・・・  、香合
    も、台子地板上となる。


 ・茶箱月点前:茶・・・となる。

〇畳上に香合を置く場合
  棚無小板常据・・・   、大板常据炭手前

 ・棚無小板常据炭手前:・・・面は手なりに置
            いて、点前の人の方を向く。


 ・   棚     :普通の小卓、台子(中置を除く)・・・   常据では、香合は畳上に置く。


以上のことを見てみると、香合が地板にのる場合は、・・・   ・・・ の場合である。又、竹蓋置が地板にのり、・・・  ・・・点前では、香合も地板上に置くことになる。 >

  



 

 7. ノート見ないで、点前を覚える方法 2022/11/2・11/18    


 多くの方々から、「覚えられない、どうしたら点前が頭の中に入るか」の質問を受ける。簡単な答えは、「修練」と昔から言われている言葉である。しかしながら、修練の方法は、何度も実践をすることであると、先駆者は述べている。確かに実践の修練は、実力が付くことは確かであり、簡単な方法である。書いたものを見ないで、プロの歌手が数千の曲、僧侶が長いお経を唱えることができるのも、そのものが持つリズムの中の修練でもある。

私も教師をしていたが、人生を自由に生きるために、2年で退職し、学習塾、会社を設立し、好きなように仕事をした。
しかしながら、その後、教育という教える仕事には魅力を感じていた矢先、後ろ髪を引かれるように、友人から、名古屋の有名某女子高での講師を依頼された。そこでの指導法はすべては書き尽くせないが、楽しい魅力あって、女子高生の興味ある話を、時折混ぜながら、大学受験の実力をつける方法を毎授業時間に組み入れた独特の授業を行った。約10年間講師をしたが、その後、結婚式に招かれたり、あの時の授業のおかげで教師になったという話も聞いたり、彼女たちの卒業後も、講師ではあったが、交流があった。当時の指導法にその答えもある。

茶道でも、学習実力をつけることは、繰り返しで、難しい方法論ではない。弟子を持っている指導者が、「真之行」、「行之行」、「大円之真」、「大円之草」を指導するのに、付け刃でノートを見て指導するレベルでは指導者とは言えない。奧秘台子12段を踏破するには、付け刃のレベルから脱却しなければならない。その方法を述べてみよう。 

例えば、長い点前順序が1〜100まであるとしよう。

頭の中で、・・・・   ・・・に進み、又、つまずいたら、・・・   ・・・書の程度
になる。

次の新しい点前に移る時も、前の点前順序から声を出してつづけ、問題がなければ、初めて次の点前へ進めて、又、同じように、つまずいたら、最初へ戻り、繰り返しする。
これを面倒くさいという人は、すぐにノート見てしまうので、いつまでたっても点前が頭に入らない。

指導者で、指導する点前のノートをまず見る人は、指導者とは言えない。付け刃で指導する初心者と同じである。指導する前に、まず頭で声を出して点前を言えるようになった人こそ真の指導者でもある。常にどこでも、点前が言えることが修練で、その努力は、永遠い続けてこそ、真の指導者である。それを心掛けていただきたい。

私自身が、奧秘台子12段をいつでもどんな箇所でも瞬時に呼び起せ、点前の異なりを並列させることができるのは、その学習法と、同時に複数の点前を並列して進める学習法であると言っても過言ではない。
必ずできますので実践されることを推奨いたします。



  8.拝見道具を出す時、返す時の道具の位置の意味と床位置の関係 11/29・12/7・12/16  


拝見道具を出す時、いつも気にしないで、薄茶では、棗を出して、そのあと茶杓を出す。濃茶では、茶入を出して、茶杓を出して、仕服を出す。その際には、茶入の位置は、上座に出し、順次下座へ道具を出している。
拝見道具を返す時は、出した道具を打ち返して、下座へ棗、上座へ茶杓を返す。濃茶では、茶入を下座へ、上座へ茶杓、その上座へ仕服を返している。

四ヶ伝でも、同じようにして道具を出し、返した時は、同じ所作で道具を打ち返して返す。

しかしながら、奧秘では、拝見道具出した時は、上座から茶入、茶杓、仕服と出し、返す時は打ち返すことなく、出された位置へ道具を返す。
この論理は、意味がある。草庵の茶と奧秘の茶では、それなりの意味があるためである。

奧秘は、貴重な道具であるために、道具主体に扱うのが点前の根底にある。草庵の茶では、席の上座という意識を生かしつつも、正客、亭主という人を主体にして、道具を扱うことに主眼が置かれている。

論理を振り回すとわかりにくいので、図解して開示してみよう。



 1図 奧「真之行」を例としての例
 拝見に出す時、拝見を終えて返す時も、茶入は点前席側にと
 って、上座側に置き、順次付帯する道具は下座に出す。 

 2図 草庵の茶の例
 拝見に出す時は、点前席側にとって、上座に茶入を出し、順
 次付帯する道具は下座に出す。 
 拝見道具を返す時は、亭主の右膝側に茶入を返し、亭主側か
 ら見て、、茶入の左側へ順次付帯する道具を返す。


このことを理解しても気を付けなければならないことがある。

よく初座は、床付、後座は釜付きと言われる人がいるが、これにはある条件があってのことである。又、釜付きに坐すというのは、炉の場合の情景であり、ある意味で言えば、点前座近くに坐すということである。しかしながら、大寄せ、小寄せでの茶会は、広間、小間でも、正客は、床付に座ることが基本である。大寄せでは、亭主側は、半東を用意して、出された茶碗などは運ぶことになり、大寄せは茶会で、茶事ではないので、初座、後座の分けた席入りはない。それ故に、大寄せは、正客を床付に坐していただくことが正客としての迎えになるのである。

茶事の場合では、基本的には、四畳半、小間で行われ、部屋自体が狭い。

よく初座は、床付、後座は釜付きと言われる人がいるが、これにはある条件があってのことである。又、釜付きに坐すというのは、炉の場合の情景であり、ある意味で言えば、点前座近くに坐すということである。しかしながら、大寄せ、小寄せでの茶会は、広間、小間でも、正客は、床付に座ることが基本である。大寄せでは、亭主側は、半東を用意して、出された茶碗などは運ぶことになり、大寄せは茶会で、茶事ではないので、初座、後座の分けた席入りはない。それ故に、大寄せは、正客を床付に坐していただくことが正客としての迎えになるのである。 ・・・   ・・・

つまり、部屋の構造からくる・・・   ・・・上座ではなく、点前をする・・・   ・・・位置から見ての上座である。もし、本勝手、逆勝手の下座床の場合に、部屋の上座、正客の坐す位置を上座として拝見道具を出すならば、茶入は亭主から見て、本勝手は・・・、逆勝手は・・・茶入、棗を出すことになり、拝見道具・・・位置の統一性が崩れる。それ故に、拝見道具を出す位置は、床位置、正客の坐す位置とは・・・、・・・  ・・・ら見ての上座に出す。



「茶道真実を知らなければ」の知性の
入り口
The intelligence gate that everyone must know the tea ceremony truth.
第1部
(2012年)
茶道における
誤った伝承
Part 1 (2012 year) "wrong tradition in the tea ceremony".
第1部
(2012年)
茶道における
諸々話
Part 1 (2012 year) "all kinds of matters talk in the tea ceremony".
第1部
(2012年)
茶道奥秘台子12段の話
Part 1 (2012 year) "story of 12 steps of tea ceremony hidden mysteries four-pillared shelves(DAISU).
第1部
(2012年)
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第1部
(2012年)
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「その1 」
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第1部
(2012年)
A会員限定
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「その2」
Part 1 (2012 )A member-limited page "the 2"
第2部
(2013年)
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第2部
(2013年)
茶道における
誤った伝承
Part 2 (2013 year) "wrong tradition in the tea ceremony".
第2部
(2013年)
茶道における
諸々話
Part 2 (2013 year) "all kinds of matters talk in the tea ceremony".
第2部
(2013年)
茶道奥秘台子12段の話
Part 2 (2013 year) "story of 12 steps of tea ceremony hidden mysteries four-pillared shelves(DAISU).
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第3部(2014年)茶道における誤った伝承
Paret3(2014)"wrong tradition in the tea ceremony"
第3部(2014年)茶道における諸々話
Paret3(2014)"All kinds of matters talk in the tea ceremony"
第3部(2014年)茶道奥秘台子12段の話
Part 3 (2014 year) "story of 12 steps of tea ceremony hidden mysteries four-pillared shelves(DAISU).
第3部
(2014年)
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(2015年)
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第4部(2015年)茶道における誤った伝承
Paret4(2015)"wrong tradition in the tea ceremony"
第4部(2015年)茶道における諸々話
Paret4(2015)"All kinds of matters talk in the tea ceremony"
第4部(2015年)茶道奥秘台子12段の話
Part43 (2015 year) "story of 12 steps of tea ceremony hidden mysteries four-pillared shelves(DAISU).
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第5部(2016年)茶道における誤った伝承
Paret5(2016)"wrong tradition in the tea ceremony"
第5部(2016年)茶道における諸々話
Paret5(2016)"All kinds of matters talk in the tea ceremony"
第5部(2016年)茶道奥秘台子12段の話
Part5 (2016 year) "story of 12 steps of tea ceremony hidden mysteries four-pillared shelves(DAISU).
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Part9 (2020 year) "story of 12 steps of tea ceremony hidden mysteries four-pillared shelves(DAISU).
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